2015/10/08

金太郎に対する私たちの気持ち

私達夫婦の今の気持ちを表した記事が、今朝 Facebook に掲載されていましたので簡略して引用してみました。

「長尾先生、末期がんでも亡くなる3週間前まで舞台に立ったり、仕事ができるものですか?」
川島さんの訃報を知った何人かの人から、そう聞かれました。
「もちろん、そんな人はおられます。ただし、いくつかの共通点があります」とお答えました。
その共通点とは
抗がん剤をやっていない、またはやっていても末期になる前に止める
  1. 食べられなくなって痩せても、高カロリー輸液をやらないこと

  2. 充分な緩和医療を受けていること

その1。抗がん剤は、やる/やらない、ではなく、“やめどき”"が大切!
抗がん剤の“やめどき”とは、がんの種類や年齢や体力によって、また患者さんの死生観によっても大きく違ってくるので、医師が「ここでやめるべき」とは一概には言えません。あくまでも患者さんご自身が決めるもの。
ですから、2年前に私は「抗がん剤10の『やめどき』」という本を書いたのですが、あれから2年たって、ようやく「やめどき」という言葉が徐々に浸透してきているようです。
その拙書に書いた第1番目の「やめどき」とは川島さんと同様、「迷った挙句、最初からやらない」です。
効果が期待できるがんではやってもいい、あるいは積極的にやったほうがいい場合もありますが、いつか必ず効かなくなる時が来ます。だから“やめどき”が大切で、それを間違うと、抗がん剤で命を縮めてしまします。

その2。川島さんのあの痩せ方は、私から診ると「がん性悪液質」という状態でした。治療の副作用によって体力が奪われて痩せた、というわけではないと考えました。
末期がんで口から食べられなくなった時、高カロリー輸液をする医師がいますが私は反対です。命を縮めるどころか、咳や痰や腹水で大きな苦痛をもたらします。誤解を恐れずに言えば、ベッドの上で「溺死」しているような方もいます。
動物でも植物でも、本来の最期というのは自然に枯れるようにして命を終えるのです。
それがいちばん、苦しまずに旅立てる。

* 私がみなさんにどういう風にお伝えしたら良いかと思っていたことがこのことです。
私たち夫婦はいつも;過剰な医療行為、過剰な延命治療;は受けないことを話して決めてきました。
この度は私たちより金太郎が先に旅たっていくようですが、金太郎にも生きて死んでいくプロセスを、自然に辿って貰いたいと願っています。ここでは;平穏死;と表現されました。自然に枯れるように死ぬことが一番苦しまずに死ねるとここには書かれています。金太郎もこのようにして;死;を迎えさせてやりたいと思います。
川島さんがブログで最後に掲載された病床の姿を撮ったお写真は、私から見たら、“順調に枯れて”おられました。
高カロリー輸液は行っていなかったようです。さらにあの写真は、抗がん剤もしていないお顔に見えました。
そしてその3。
高カロリー輸液に代表されるように、なぜ、最期の最期まで過剰な延命治療が行われる場合があるのか?それは、現代人が「待つ」ことができなくなっているからです。
ゆっくりとその時を待つことが怖くて不安、もしくはまだまだ何か打つ手はあるはずと多くを望み過ぎてしまう――それが自然に枯れて死ぬことが難しくなった現代医療の功罪です。
何も医療者だけの問題ではありません。ご本人もご家族も、枯れていくことを“待つ”ことができるか……? これがなかなか難しいのです。

* 私も金太郎が何も食べられなくなり、痩せていくのを見るのはとても辛いのです。
何度も夜中に生きているだろうかと心配して見に行きますが、目を開けてくれるとホッとします。しかし、これも長く続かないことは分かっています。ですから一緒にこの家で暮らせる時間を愛おしんでいます。



今日午後の金太郎です。
*今日はいつものように自由に外に出て日向ぼっこをしてリラックスしてくれています。これで良いのだと思うような光景です。元気な頃の金太郎は、自由にあちこちで楽しんでいました。今日は日向ぼっこが最高なのですね。車が来たら吠えています。何もかもがいつものようです。

“待つ”ためには、充分な緩和医療が必要です。
肉体的な痛みを取る麻薬はもちろん、精神的痛みや魂の痛みへの対応が大切です。
川島さんは、民間療法を受けておられて、それが心の支えになっていたそうです。
それを批難する人がいるようですが、筋違いです。
そして、もちろん旦那さんの献身的な愛情こそが、最高の緩和ケアだったことは言うまでもありません。川島さんの旦那さんの記者会見の様子を、たまたま往診中のテレビで拝見し、思わず涙してしまいました。
「ごめんね…」「私こそごめんね…」こんな優しいやりとりが最期の会話であるとは、なんと素敵なご夫婦でしょうか。優しさにあふれた言葉が、最高のモルヒネ効果をもたらしたと思います。
以上の3つの条件を満たした時に、川島さんのように、最期まで仕事ができます。
排泄もほぼ自立して過ごせるのですが、あまり知られていないようですね。
川島さんのように、亡くなる1~2週間前まで、外に出てなんらかの仕事をされていた方は、私の患者さんの中にも何人かおられ、決して珍しくありません。。
これが、私が提唱する「平穏死」の姿です


金太郎の様子

おはようございます。
金太郎は今朝も早くから一緒に起きて外でおしっこをしました。
昨日はどうもおしっこが尻尾にかかったようでしたので、拭いてあげましたが、足が上がらなっかたのでしょう。
洗ってあげたいですが、体力がないので仕方がありません。


周囲を見回していましたが、寝てしまいました。

食欲は全くなくなりました。
スープのようなもの、ウインナー、肉などを匂わせるのですが食べようとしません。

それでも自力でソファーから降りたり、上がったりができます。

最近はずっとソファーで寝ているので、夜中に何度も起きて見るのですが、すやすやと眠っています。

日に日に痩せていますので、可哀想でなりません。

ブログを訪れてくださったみなさん、
ありがとうございました。
良い一日をお過ごしください。